2015年3月16日月曜日

キャンセル物件を紹介する人、買える人。

先日、アパートの売買契約、当日のことでした。
お客様とは、一週間前に買い付けを頂き、前々日も数時間のお打ち合わせの上、契約日に臨みました。

本日いよいよというところで、

「家内が納得していないので、別の日にして下さい。」との連絡がメールにて入りました。

慌てて電話をかけると不通です。これは、まさに普通じゃない異常事態発生です!

先日の打ち合わせの時には、家族にも話はしている事と自分主体で決める旨の意志の最終確認までしたもりでしたが、まさかの方向転換です。

私も、対応方法を判断しなければいけませんので、率直に質問を投げかけます。
しかし、電話は不通ですから、ショートメールに切り替えます。

「売主様に契約日延期の連絡を入れますが、万が一それを理由に売渡をキャンセルされても大丈夫ですか?」

常に最悪の事を考えて、物事に取りかからなければなりません。


すると、、、しばらくして。

「そうであれば、キャンセルしてかまいません。」とのお返事がありました。

こうなると、私の経験上ですが、十中八九キャンセルの意向が本音です。

昔であれば、「なんでですか!?」と職場でも自宅でも訪問するように、当時の上司から教育された私ですが、今となっては、「わかりました!」と爽やかに受付させて頂き、早急に別のクライアント様へ、キャンセル物件として紹介し、買主の振替を対応をさせて頂きました。

実は、私、この方との打合せの際に、キャンセル確率を勘ピューターで算出しており、この事態は、想定されておりましたので、事前に、キャンセルがでるかもと、クライアント様に紹介をしていたのであります。

仮に、キャンセルとなれば、売主様、取引先様、金融機関様に、ご迷惑をお掛けする結果になる為、買主様は勿論のこと、我々、買主の媒介業者側も取引信用が毀損されてしまいます。

だからといって、買主様を追い詰めて、押し売りをするわけにもいきませんから、水面下でのリスクヘッジを考えながら、万が一の事を常に考えながら、取引が締結されるまで進めなければなりません。

さらに、去年までは、自分個人の取引にだけ気を配っておけばよかったのですが、今年からは、管理職にもなり、取引量が四人分に増えていますので、その分も気を配る必要がでてきました。

不動産コンサルト業と名乗っておりますが、実際の業務の大半は、先生業ではなく、不動産取引の調整に終始しているのであります。

また、リテールの取引がメインになりますので、何をきっかけに、取引が壊れるかがわかりませんので、経験則があっても無事に取引が締結されるまでは、神経を張り詰めていなければならないのであります。

そして、引渡や、その後の運営にも気を配り、長期空室や建物の瑕疵関係で、トラブルにならないように、配慮しておかないと、クライアントからのクレームはもちろん、現職では、社内からもクレームが入り、気が休まることもないのであります。

それはそれで、ひとりで全て不動産売買取引をコントロールするやり甲斐、気持ち良さというのもあるのでしょうが、ひとり体制の限界をわきまえた上で、「売った後は知りません」「忙しいので、すみません」とならないように、アフターフォローできる体制・組織を整えつつ、事業として営まなければいけませんね。

それでも、こういう緊急を要する物件の検討にも理解を示してくださる、クライアント様あっての日々ですね。

感謝。



●わたなべ日報● 発行人:渡辺章好 
※本ブログは、私の体験を元にしたフィクションです。
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